これは僕個人の属性の話なので、こんな人に当てはまるとか、日本人はこうだとかいう話ではありません。
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あくまでも渡航時の注意的な話だが、「無宗教と容易に答えてはならない」という話をtwitterで見かけた。面倒であれば無難に仏教徒と答えておけば、それ以上の追及はされないということだ。
「渡航時の護身術」としてなら（英語力の乏しさからみても）やむを得ないかもしれないが、僕は自身の宗教を聞かれたならBuddhistとは答えたくない。
そう名乗った後に不道徳と思われる振る舞いをしたら、本当の仏教とそれを信仰する人々を汚すことになりかねないからだ。
（僕は海外どころか日本でさえ、自分の行動がまともであると言える自信がない。できる限り他者のスペースを侵さない誠実な人間でありたいとは思っているが…）
海外で無宗教が何を指すか知っている上で、できれば「特定の宗教は信仰していませんが、誠実でありたいと思い日々暮らしています」くらい言えればいいなと思う。厳密には神仏習合でもないから。
（信仰を聞かれてる状況的にラフな場ではないだろうし、厳密に答えたい。） ←調べたら、普通に日常会話で聞かれるらしい。信仰上の決まり（食事等日常的な部分との繋がりも多い）がある人の配慮も考えると、確かにそれはそうだ。
けど、上記のような”善意のお気持ち表明”程度では文化的に伝わらない気もする。
そもそも世界観が違う所で生きているのだ（それは国内外問わず、大なり小なりあることだが）。相手も「宗教なんて身近なもののはずなのに、なぜそんな歯切れの悪い回答をするのか？何か隠したいことがあるのだろうか」と疑問に思うだろう。
それなら僕は、言語化しても怪しまれるだけならば、黙秘するしかない。僕にとってその場を切り抜けるためであっても、自分の属性に対し「～である」と断言することは「～ではない」可能性の全てを切り捨てているような感覚があるからだ。それは僕にとって嘘をついていることになる。
宗教に関してはなおさら、自身の属性について嘘をつきたくない。アイデンティティの喪失に近い感覚なので、自分が思っている以上に僕は宗教と信仰について、何か確信があるらしい。よく分からないけれど。
もし現実的な場面で命が危ないならば、僕は何らかの宗教の名前を答えて「嘘をつく」だろう。その宗教とそこに属する人々や自分自身に対して、強い罪悪感と自己嫌悪を感じながら。
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できることなら、何にも属したくない。ただ存在して消えていくだけだと思っている。
僕は無神論者…かもしれないが、よくわからない。お墓参りには行く。人形を粗雑に扱ったり、人の写真が載っている新聞の上にはできるだけ靴を置きたくない。
死後の世界はあるかもしれないが、その時の自分は今の自分ではない（連続性のない、他人のような距離）と思うし、もし死後に生きていた分の善行や悪事が引き継がれているのなら「その時」反省すると思う。今していることがこの先の何かに繋がるとは考えられない。
できるだけ他者には干渉しすぎず、もし困っているようなら手助けすることもあるだろう。しかしそれは天国に行くためではないし、自分がその時そうしたいからそうしているというだけだ。僕の気まぐれな善意でしかない。
（もしくは社会的教育によって、「自分がそうしたいのだ」と誤認しているのかもしれない。無意識に植え付けられた倫理観に従うだけの人間。）
だからむしろ無宗教と答えた方が、本当の自分に近いんじゃないかとも思う。相手に不道徳だ獣だと解釈されても、仕方ないのかもしれない。それは何故か。
僕の行動原理の根本を問いただすと、目の前の人達と外交したり社会でヒトとして生き延びるための手段として、道徳があるからである。本質的には「道徳を身を守る術として体得している」獣に近い気がする。
自分が獣だとするならば、自分がそうしたいからという理由で誠実であろうとするのも多少納得できる。自分がそうしたくなければ、僕は獣的不干渉主義に則ってその場を通り過ぎる。
僕が道徳を守るのは、社会に殺されないためだ。コミュニティから爪弾きにされて生きていけないかもしれないと考えながら、笑顔を向けるような奴だ。
漫画『海獣の子供』で、ジュゴンに育てられた少年・空が笑顔を人間に向けるのは嬉しい楽しい感情からではなく、ヒトに対して友好的であるということを示すためだというのがあった（…はずだが、手元に漫画が無いので確認できない。そういうニュアンスであったはず、程度です。）が、それに近い。笑顔はあくまでも社交のツールとして機能している。
だから僕は、外に出た時は常に嘘をついているような罪悪感がある。できるだけ他の人の邪魔はせずに生きていくから、どうか赦してほしい。
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宗教と信仰の話を見かけて、不安を感じた理由。
そんな感じです。
